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ウズベキスタンでの活動記録から始まったブログも、今は子どものことや作ったパンの記録ブログになっています。


by насиба
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術前検査

ウズの病院でのいろいろな検査、言うまでもなく、日本よりも機械化されていないところがたくさんあります。


心臓の手術の前には、いろいろな術前検査があります。
それは日本も同じなのですが、ま、日本は最近は入院期間をより短縮するために、外来でやってしまうことが多いかと思います。




最近、人手不足により毎日のようにいろんな検査に患者さんを連れて行っています。
いろんなことを知って、びっくりなこともあったので、今日は検査の紹介をしたいと思います。



術前、どんな検査あるかというと、あたしが今知る限りでは、
まず、どっかに行ってしなきゃいけない検査は、

①超音波
・頸動脈
・心臓
・お腹

一つの部屋で全部できるのではなくって、頸動脈は頸動脈の、お腹はお腹のためのエコーの検査室があります。
検査結果は当然手書き。
なので、各部屋でエコーをしに行くと、部屋には医師が1人いて、医師が調べて、検査結果を言うと、もう一人看護師?かなぁ、医師じゃない誰かがその検査結果を手書きで書いていきます。


②胃カメラ
これも同じく、医師が言ったことを書く人がいて、ひたすら検査結果を書いています。
きっと時間がかかるからなのか、朝からせっかくご飯食べないで待っていたのに、結局検査は明日に持越し・・・なんてこともよくあります。


③呼吸機能検査
ここの先生、心電図の検査の仕事も兼ねているので、8:30~10:00までしかやってません。
なのに、午前中、病棟の医師たちは何かしら会議のためにカルテをすべてもって言ってしまうので、行けないことが多く、不便・・・。
ここの検査の先生。


④胸部レントゲン
日本だと、必ず写真をとって、それを現像するのですが、ここは毎回はしません。必要な時だけ。
最近日本は電子カルテ化してて、パソコンで画像が見れるようになってきてるから、違う理由で日本も必要な時だけ、になってるとこもあるけど。
で、ウズの場合は、写真を現像しないときはどうするかというと、これもやっぱり文章で検査結果を書きます。
それも、タイプライターで。ふつうに使っているのを見るのはここ来て初めてでした。
うちの病棟の場合は、術前は写真に現像し、術後、ICUはポータブルで撮るときは現像、その後病棟に行き、ドレーンを抜いた後は、文章に結果を書いてもらうだけです。


⑤心電図
心電図をとった後、これも手書きで結果も添えられます。



この④の術前と、⑤は、入院時、病棟に来る前にとってくるので、入院後にやることはあまりありません。



検査室も、控えで検査結果を撮っておかなければならないので、カーボン紙で写しながら書いたり、ノートにまた書いたりと、書くことがたくさんで大変そうです。
で、当然手書きなので、時間もかかります。
なので、ひとつ検査するだけでもけっこう時間がかかります。


大体、すべて検査に、事前予約っていうものがないので、その日に電話をして、できそうだったら、じゃ、行く、みたいな感じ。
計画性がないので、患者さんにも、明確に時間を伝えることができないのが残念なところ。
明日、、と言っても、できないこともあったり。

ま、手術でさえも、明日といっておきながら、それができないときがあるので、ここはまさしく。ウズ的にいう、ふどほふらさ(神が望めば…)ですね。





次は採血。
入院した翌朝、
生化、血算、凝固系、感染症、血液型・・・
もろもろいろいろとります。

とった血液は試験管に。
日本のような真空採血管があるわけではなくって、理科の実験で使うような試験管。



で、当然ラベルは印刷してでてくるとかそんな便利な機械はないので、一枚一枚手書きして、のりで試験管に貼り付けて検査室へ持っていきます。


それがね、一般の血液検査を調べる検査室と、血液型を調べるとこが違うんです。
血液型を調べるところは、遠くって、しかも検査結果はカルテを一緒に持って、カルテの表紙に何型かハンコを押してもらうんです。
でも、その時人がいないとできなかったり、これも時間に制約があるので、いちいち面倒くさそうです。


ちなみに、微生物も、検査室が違います。
でもこれは日本でも同じですね。



そうそう、このハンコ。
あらゆるものの決定に毎回毎回必要なのです。
これもまた面倒な作業だなぁ…って毎回思います。
書くと長くなるので、これはまた後日。。




血液検査結果も手書き。
で、カルテに貼るとこがあるんだけど、それ以外にも、カルテに採決結果を書かなきゃいけない欄があります。
必要??

か、どうかわからないけど、律儀にせっせと書いています。




で、血液検査に関してちょっとびっくりしたこと。

病棟でもこの検査をすることがあるんです。

血液型に関して。

早く知りたいからか、病棟でやることがあります。
採血をして、プレパラートに数滴ずつ血を落として、そこに、薬液を落として、数分待ちます。
で、その結果で血液型がわかるそうですが、そんなことまで病棟でやるのかと、初めて見たときはびっくりでした。


でも今日もっとびっくりしたこと。

手術当日の患者さんに、行く前に採血をしています。
それをそのままどっかにもって言っていて、当日ってところからして、輸血の適合試験か何かかなぁ、って思っていました。


で、今日、術後貧血で血圧も低く、輸血が必要な人がいました。
どう取り寄せるかの過程はよくわかりませんが、朝頼んで昼くらいに病棟にやってきた輸血。

それを持ったまま、なっかなか輸血しません。

血圧低いんだから、はやくやろうよーと思いながら見ていると、輸血前に採血をはじめました。


何の採血かなぁって見ていたら、とった血液をいつものように試験管へ。
先生は、それをしばらくそのままにして、赤い血球と白い血漿の部分に別れたところで、血漿のとこだけシリンジで取り出して、輸血のパックの端切れに入っている血液をちょっととって、その血漿へ混ぜました。


この結果を先生が見て、輸血するかどうか決める、と言いながら、先生はその試験管を持ってどこかに持っていきました。



いつも、その術当日にとる血液検査を、サーミスなんちゃらって言ってて、今日もそのなんちゃらって言葉がでてきました。

あ、これはもしかして、交差適合試験か?




今までも何回も聞いてたなら、調べろよ!って話ですが、今更ながら調べてみたら、

適合試験のこと、ロシア語で、перекрёстная проба на совместимостьでした。
4つ目の単語、さーみすてぃもすてぃ(みたいな言い方)。



あぁ!やっぱり!!



なんとなく思っていたことがわかって今日はすっきり!もしたし、まさかこれを病棟でやるとは思ってもいなかったので、びっくりもした一日でした。




その後ちゃんと患者さんには輸血され、副作用もなく無事終わったので良かったです。
by woody_bullseye | 2012-11-28 23:20 | 派遣2年目 活動のこと